トマトの葉が黄色くなる原因と対処法 栄養不足と病気の見分け方

葉の黄変 原因を見抜く

「トマトの葉が、急に黄色くなりはじめた…」
「毎朝水やりをしているのに、なぜか葉の色がおかしい」
「大事に育てた苗なのに、葉が黄色くなって元気がない」

このような経験、一度はあるのではないでしょうか?

家庭菜園でのトマト栽培では、葉の黄変は頻繁に見られる問題です。

その原因はさまざまで、適切な対処をするには原因を見極める必要があります。

この記事では、トマトの葉が黄色くなる原因と、栄養不足と病気の見分け方、そして効果的な対処法をご紹介します。

早期発見と正しい対策で、健康なトマトを収穫できます。

トマトの葉が黄色くなる主な原因

トマトの葉が黄色くなる原因は大きく分けて3つあります。

栄養バランスの乱れ、水やり関連の問題、そして病気です。

それぞれの特徴を理解すれば、適切な対処ができるようになります。

栄養不足・過多による黄化

窒素不足

窒素が不足すると、下葉から順に黄色くなっていきます。

これは古い葉から窒素が移動するためです。

全体的に生育も遅くなり、茎が細く弱々しくなります。

マグネシウム不足

葉脈は緑色のまま、葉脈の間だけが黄色くなります。

下葉から症状が現れ、黄色い部分が次第に褐色になることもあります。

酸性土壌では起こりやすい現象です。

鉄分不足

新芽や上部の若い葉から黄色くなるのが特徴です。

葉脈は緑色のまま、葉全体が淡い黄色に変化します。

アルカリ性の土では鉄分が吸収されにくくなります。

水やり関連の問題

水やり過多

根に十分な酸素が届かず、根腐れを起こします。

葉全体が黄色くなり、茎の付け根が黒ずむことがあります。

梅雨時期に注意が必要です。

水不足

水不足によるストレスで葉が黄色く変色します。

葉先から黄色くなり、葉の縁が茶色く枯れていきます。

夏の高温期には注意が必要です。

病気による黄化

うどんこ病

葉の表面に白い粉状のカビが発生します。

初期は小さな斑点から始まり、次第に広がっていきます。

乾燥時に発生しやすい病気です。

葉かび病

葉の裏側に灰色のカビが生じ、表側が黄色くなります。

黄色い斑点がまだらに広がるのが特徴です。

高温多湿の環境で発生しやすくなります。

モザイク病

葉に黄色と緑色のモザイク模様が現れます。

葉が縮れたり、変形したりするのも特徴です。

ウイルス病のため、治療は困難です。

栄養不足と病気の見分け方

葉の黄変を見たとき、その原因を特定するポイントがあります。

どこから症状が始まり、どのように広がるかを観察しましょう。

症状の現れ方の違い

症状の特徴考えられる原因確認ポイント
下葉から黄化窒素不足全体的な生育遅延もあるか
葉脈間が黄色マグネシウム不足葉脈は緑色のままか
上部の葉から黄化鉄分不足新芽の色が薄いか
全体的に黄化水やり過多根の状態(黒ずみ)を確認
葉先から黄変水不足土の乾燥状態を確認
白い粉状の物質うどんこ病葉の表面を指でこすってみる
まだらな黄斑葉かび病葉の裏側にカビがあるか
モザイク状の黄変モザイク病葉の変形・縮れがあるか

葉をすこし指でこすってみるのも有効です。

白い粉がつくならうどんこ病の可能性が高く、なにもつかないなら栄養不足かもしれません。

原因別の対処法

原因が分かったら、適切な対処をしましょう。

栄養不足への対処

窒素不足

窒素成分が多い肥料を選びましょう。

  • 液体肥料なら即効性があり、週1回の追肥が効果的
  • 「7-5-6」など、最初の数字が大きい肥料が窒素分が多い
  • 有機質肥料なら鶏糞や油かすが窒素含有量が高い

マグネシウム不足

エプソムソルト(硫酸マグネシウム)を水に溶かして与えます。

  • 水1リットルに小さじ1杯程度を溶かし、葉面散布すると効果的
  • 2週間に1回程度の施用で改善されることが多い
  • 土壌にも同様の溶液を与えると長期的な改善につながる

鉄分不足

キレート鉄剤を使用すると効果的です。

  • 土壌のpHが高い場合は、酸性化も検討する
  • ピートモスや硫黄粉を少量混ぜると土壌を酸性に傾けられる
  • 緊急対応として葉面散布も有効だが、土壌改良が根本的な解決策

水やり関連問題の解決

根腐れの対処

まずは水やりを一時的に控えましょう。

  • 表土が乾いてから少量の水を与える習慣に切り替える
  • 鉢植えなら排水穴の確認と清掃を行う
  • 極端な場合は苗を掘り上げ、健全な根だけを残して植え直すことも検討

水不足の対処

朝と夕の涼しい時間帯に水やりをしましょう。

  • マルチングを施して水分の蒸発を防ぐのも効果的
  • 日陰を作り、直射日光による蒸散を抑える
  • 水やりの量を増やすだけでなく、頻度も調整する

病気への対処

うどんこ病

発生初期なら重曹水スプレーが効果的です。

  • 水1リットルに重曹小さじ1を溶かし、少量の食用油を加えて散布
  • 予防的に週1回の散布を行う
  • 重症化した場合は、園芸店で販売されている薬剤を使用

葉かび病

まずは病気にかかった葉を取り除きます。

  • 風通しを良くするため、込み合った枝葉を整理
  • 天候の良い日に葉の水分を乾かすことが大切
  • 水やりは株元のみに行い、葉に水がかからないよう注意

モザイク病

治療は難しい病気です。

  • 感染株は早めに抜き取り、ほかの株への感染を防ぐ
  • 手洗いと道具の消毒を徹底し、健全な株を守る
  • 次作では耐病性品種を選ぶことで予防

予防のための日常管理

トマトの葉が黄色くなる問題は、予防が最も効果的です。

日頃からの適切な管理を心がけましょう。

定期的な観察

週に一度は葉の様子を詳しく観察します。

  • とくに葉の裏側や茎の付け根は注意深く見る
  • 色の変化だけでなく、形状の変化も確認
  • 早い段階で発見することが被害を抑える重要なポイント

適切な肥料管理

元肥をしっかり施し、その後は計画的に追肥します。

  • 生育初期には窒素を多めに与える
  • 花が咲き始めたら燐酸とカリを重点的に補給
  • バランスの良い肥料を適量与えることが大切
  • 過剰な施肥は逆効果になるため注意

水やりのポイント

朝の涼しい時間帯に水やりをします。

  • 土の表面が乾いたらたっぷりと与えるリズムを守る
  • 夏場は朝夕2回に分けると効果的
  • 水やりの量は、鉢植えなら鉢底からすこし流れ出る程度が目安

風通しを良くする

込み合った枝葉は定期的に整理します。

  • わき芽かきと下葉の除去で風通しを確保
  • 支柱をしっかり立て、茎葉が地面に接触しないようにする
  • 株間を適切に保ち、過密植えを避ける

まとめ

トマトの葉が黄色くなる原因は、大きく分けて栄養不足、水やり問題、病気の3つです。

症状のパターンを見極めることで、的確な対処が可能になります。

予防的な管理を日常的に行うことが、健康なトマト栽培の秘訣です。

梅雨時期は湿度が高くなるため、風通しの確保と葉が濡れたままにならないよう注意が必要です。

定期的な観察を習慣にすることで、トマトの異変にすぐ気づける目が養われます。

お住まいの地域の気候に合わせた対策を取り入れれば、元気なトマト栽培を楽しむことができるでしょう。

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