「イチゴの葉に白い斑点が…」
「葉がカサカサになって、実の成長も止まってきた…」
「市販の農薬を使わずに、安全に害虫対策ができないかな…」
このような悩み、あなたも経験したことがありませんか?
春から初夏にかけて、家庭菜園のイチゴを狙う最も厄介な害虫がハダニです。
イチゴの甘い香りと柔らかい葉がハダニを引き寄せているのです。
この記事では、ハダニの生態を理解し、化学農薬に頼らない予防策と自家製ハーブスプレーの作り方をご紹介します。
自然の力で、おいしく安全なイチゴ栽培を楽しみましょう。
ハダニの生態と早期発見のポイント
ハダニは0.5mm程度の非常に小さなクモの仲間です。
肉眼では赤や黄色の小さな点にしか見えません。
繁殖力が非常に強く、適温である20~30℃の環境では10日で成虫になります。
メスは一生で約100個の卵を産むのだとか。鳥肌が立ちますね。
イチゴの葉に現れる初期症状
ハダニ被害の初期症状は、葉の表面に小さな白い斑点が現れることです。
進行すると斑点が増え、葉全体が白っぽく変色します。
さらに悪化すると葉が黄色く変色し、最終的には茶色く枯れてしまいます。
被害を受けた株は光合成ができなくなり、実の生育も止まってしまいます。
早期発見の方法
定期的な葉裏のチェックが大切です。
白い紙を葉の下に置き、葉を軽くたたいてみましょう。
紙の上に小さな赤や黄色の点が落ちてきたら、ハダニの存在を疑いましょう。
虫めがねを使うと、より確実に観察できます。
ハダニ被害の進行段階 | 葉の症状 | 対応方法 |
---|---|---|
初期 | 葉表に白い斑点が散在 | 葉裏に自家製スプレーを集中散布 |
中期 | 斑点が増加、葉全体が白っぽい | 週2回の総合的防除を開始 |
重度 | 葉が黄変し始める | 強化スプレーと被害葉の除去 |
末期 | 葉が枯れ、株全体が衰弱 | 重度被害株の除去と周囲の徹底防除 |
予防策と栽培環境の整備
ハダニは乾燥した環境を好みます。
予防には適切な栽培環境の整備が欠かせません。
株間の適切な間隔と風通し
イチゴの株間は20~25cm空けましょう。
密植すると風通しが悪くなり、ハダニが増殖しやすくなります。
古い葉や不要なランナーは早めに取り除き、株元の風通しを確保しましょう。
水やりのテクニック
朝の時間帯に、週に1~2回葉面散水をするとハダニを抑制できます。
ただし、灰色かび病の発生を防ぐため、日中に葉が乾く時間帯を選びましょう。
夕方以降の葉面散水は避けることが大切です。
適切な栄養バランスの維持
窒素肥料の過剰投与は柔らかい葉を増やし、ハダニを引き寄せます。
リン酸やカリウムを適度に含む有機肥料がおすすめです。
発酵した堆肥を使うと、土壌微生物が活性化し、植物の免疫力も高まります。

コンパニオンプランツの活用
ニラやネギなどのハーブ類をイチゴの周りに植えると、香りでハダニを寄せ付けません。
マリーゴールドも同様の効果があります。
これらの植物は、ハダニの天敵となる益虫も呼び寄せます。
自家製ハーブスプレーの材料と作り方
自家製ハーブスプレーは安全で効果的なハダニ対策です。
身近な材料で簡単に作れます。
基本のハーブスプレーレシピ
材料:
- ニンニク 5片(細かく刻む)
- 唐辛子 1本(種を含めて刻む)
- 無添加の液体石けん 大さじ1
- 水 1リットル
作り方:
- ニンニクと唐辛子を細かく刻み、水に入れる
- 一晩(12時間程度)浸けておく
- ざるでこして液体だけを取り出す
- 液体石けんを加えてよく混ぜる
- スプレーボトルに入れて使用する
このスプレーは冷蔵保存で1週間ほど使用できます。
使う前に必ずよく振り、薄めずにそのまま使いましょう。
強化レシピ
重度の発生時には、以下の材料を追加するとより効果的です。
- ローズマリーの葉 10g(刻む)
- ミントの葉 10g(刻む)
- 重曹 小さじ1
これらを基本レシピに加えると、ハダニへの効果が高まります。
作り方は基本レシピと同じですが、浸ける時間を24時間に延ばすと良いでしょう。
保存と使用上の注意点
スプレーは遮光ボトルに入れて冷蔵保存しましょう。
光と熱で効果が落ちるためです。
使用時は肌や目に直接かからないよう、手袋とマスクの着用をおすすめします。
ハーブスプレーの使用方法と効果的な散布テクニック
せっかくのスプレーも、使い方が適切でないと効果が半減します。
最大の効果を得るポイントをご紹介します。
最適な散布タイミング
散布は朝の9時頃か、夕方の16時以降がおすすめです。
日中の強い日差しの時間を避けることで、葉の薬害を防げます。
雨の予報がない日を選び、3~4日おきに散布しましょう。
お住まいの地域が高温多湿の場合は、より頻繁な散布が必要かもしれません。
葉裏までしっかり噴霧するテクニック
ハダニは主に葉の裏に生息します。
スプレーボトルのノズルを上向きにして、葉裏に液が届くよう噴霧しましょう。
一か所に3~4回噴霧すると、ムラなくカバーできます。
噴霧後は10~15分ほど乾かしてからつぎの作業に移りましょう。
散布頻度と継続使用
初期発見時は週に2回、予防目的なら週に1回の散布が目安です。
効果が見られても、2~3週間は継続使用しましょう。
卵からかえる次世代のハダニにも対処するためです。
自然の天敵を活用した生物的防除
自然界には、ハダニを捕食する益虫がたくさん存在します。
これらの天敵を活用すると、効果的な防除が可能です。
天敵を呼び込む環境づくり
カブリダニやハナカメムシはハダニの天敵です。
これらを呼び込むには、小さな花が咲く多様な植物を周囲に植えましょう。
バジルやカモミールなどのハーブ類がとくに効果的です。
多様な植物がある菜園では、ハダニの天敵が増えることで自然のバランスが保たれます。
天敵と自家製スプレーの併用
天敵昆虫を導入している場合は、強い成分を含むスプレーの使用を控えましょう。
基本レシピのスプレーは天敵にも優しく、共存可能です。
散布は天敵の活動がすくない早朝か夕方に行うのがコツです。
まとめ
イチゴのハダニ対策は、早期発見と予防が何より大切です。
株間を適切に空け、過剰な窒素肥料を避け、定期的な葉裏チェックを習慣にしましょう。
自家製ハーブスプレーは安全で効果的な対策となります。
春から初夏にかけての定期的な予防ケアで、ハダニの被害を最小限に抑えられます。
地域の気候に合わせた対策を取り入れ、安全でおいしいイチゴ栽培を楽しみましょう。
家庭菜園だからこそできる、自然と調和した栽培方法でイチゴを育ててみませんか。